{ いのぶたを知る }

いのぶたのアレコレ

 群馬県上野村の特産品「いのぶた」。いのぶたは年間 数百頭・肉量 約10t程度の生産しかできず、飼育にとても手間暇がかかります。だから、お肉はとても貴重! 貴重だからこそ、もっと知ってほしいんです。

村おこしの一環として
始まった、
いのぶた生産

 昭和40年代。
 平地の大規模農業に負けない“高付加価値の特産品を作りたい”と考えた故 黒澤 丈夫 元上野村村長が、村おこしの一環としていのぶたの生産に取り組んでまいりました。

 現在は、上野村いのぶたファームがいのぶたの生産から販売まで行っております。いのぶた肉のイメージアップと消費拡大を目的に、ブランド名を『極 いのぶた』とし、今後は「上野村のいのぶた」から「群馬県のいのぶた」へ成長できるよう邁進してまいります。

ストレスに配慮した
丁寧な飼育にこだわる

{ POINT 1 }父となるイノシシは、
コミュニケーションが大事

 気性が荒いとされる雄イノシシの飼育は、「いのぶた」生産の要となる大事な要素です。
 お父さんとして仕事を円滑に行うため、飼育者である私たちが安全に雄イノシシと接するため、日頃よりコミュニケーションをとって信頼関係を築いています。
 時に目の前でお腹を見せて甘えてくる姿はとても可愛らしいです。

{ POINT 2 }母となるブタは、
肉質の良い『デュロック』種

 お母さんブタの飼育にも細心の注意を払っております。
 一般的に知られている白色品種の豚は、たくさんの子豚を産み、素晴らしい子育て能力を発揮します。しかし、いのぶた生産で活躍するのは『デュロック種』。デュロック種の豚は、美味しいお肉を生産する品種であるものの、子供の数は少なく、子育ても白色品種に少し劣ります。この欠点を私たちのきめ細かな飼育で補うことで、難しいとされるいのぶた生産を可能にしています。

{ POINT 3 }「大麦」を配合したエサで
お肉がさらに美味しく

 一般の養豚で給与する高品質な飼料をベースに、いのぶたたちにあった給与プログラムを常に模索し続けております。
 特にお肉の味を決定する肥育後期(生後5か月以降)は、甘く美味しい脂肪を作ると言われている「大麦」を多く含んだ飼料を給与しています。

とても希少、
お肉は特別な美味しさ

 品質確保と「いのぶた」本来の味をお届けするため、一代交配(F1 ハイブリット)のシステムで「いのぶた」を生産しています。その上、全国でも数カ所しか生産を行っていないので、「いのぶた」はとても希少となっています。

 猪と豚の交配により生まれた「いのぶた」は、両者の長所を受け継ぎ、健康的で安心・安全、なによりも美味しいお肉です。程よい弾力があり・肉本来の赤身の旨味・甘くコクのある脂身、また、口に入れたときの風香味は「いのぶた」にしか感じられません。これは徹底した飼育体制を築いている上野村の『極 いのぶた』のお肉特有の美味しさです。

成分比較でわかる
いのぶた肉の美味しさ

 いのぶた肉の美味しさで特筆すべきなのは、旨味成分の多さです。

 国産の一般的な豚肉に対して、コク・まろやかさの成分が約1.6倍、旨味・甘味の成分が約1.7倍、なかでも旨味の重要な成分は約2.9倍にもなります。

 また、加熱損失が少ないため、調理の際の肉汁の流出が少なく、美味しさが凝縮されたジューシーないのぶた肉を味わうことができます。

 さらに、脂身の「脂肪融点」が大幅に低く、口に入れたときのサラッと溶ける脂身の甘さや滑らかさが楽しめます。
 他にも、酸化しやすく雑味につながるリノール酸を含む「多価不飽和脂肪酸」も約3割ほど少ないため、豊かな風香味につながります。

※ 国産一般豚の数値を「100」として比較

『極 いのぶた』のお肉で
疲労回復・夏バテ防止!

 脂肪は肥満の原因として悪者にされがちですが、豚脂肪は効率の良いエネルギー源のため人体の脂肪を分解させる作用があります。
 さらに、いのぶた肉のビタミンB1の含有量は、国産一般豚と同様に、牛肉の10倍・うなぎの約2倍もあり、疲労回復・夏バテ防止に大きく役立ちます。

 いのぶた肉は、一見するとイノシシの獣臭さがあるのでは?と思われてしまいます。しかし、食味分析からも、臭みがなく濃厚で甘みがあるとてもとても美味しいお肉なことがわかります。
 ぜひ、『極 いのぶた』の美味しいお肉で元気な体を作りましょう!

「豚の笑顔は 人の笑顔へ」

 生活しやすい環境を整え、長い期間をかけてじっくりと飼育したいのぶたは、皆様が笑顔になるような美味しいお肉となります。

 一般の豚は生後6か月ほどで出荷となりますが、いのぶたは約8~9か月と、特に長い期間が必要となります。これは飼料代が大きなコストを占める養豚において大きな負担です。
 また、お父さんイノシシとお母さんブタから生まれた「いのぶた」は、イノシシの血が半分入っているので、非常に神経質で少しの環境変化で体調を崩したりします。
 これらの困難を克服し、お客様に『極 いのぶた』のお肉を提供し続けられるのは、約50年のノウハウがあってのものです。